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世の中、ヤッパリ知らない事だらけだった。
●今さらなんですがね。
調べ物をしていると、いかに自分が物知らずであるか、を
再認識させられる。
いや、その、知らない事が多い方がこれから知る楽しみがある、その方がワクワクする。既に知っている事には、誰もワクワクしない………
という話もありますから、
知らなくてちょうどいいのかもしれませんけどね。
それにしても、知らない事って、私の場合、やたら多いよーな気がするんだよなー。_| ̄|○
●真綿色したシクラメン~♪
という歌詞がありましたが、ワタクシ、生まれてこの方、
ン十年以上、
「真綿とは、フツーの木綿の上等なヤツを言うのだろう……」
と、漠然と思い込んでおりまして、調べてみようという気にもならなかった。
ちょうど「ふとん」の歴史を調べていた………と思って下さい。
現代では当たり前の
「敷き布団+掛け布団+枕」で1セットの
おやすみセット、実は
江戸時代も大分後になって、やっと一般的になったのだ………というのを調べておったトです。
大昔、
小野篁(802~852)の話を
書いていた頃、
昔は掛け布団というものが
存在しなかった、というのを調べてました。
敷き布団も、現代のような
フカフカで適度に弾力がある
素材など夢のまた夢で、
ま、かなり、おやすみ事情はよくなかった……というのが分かりました。
大まかに言うと、
薄いシートのようなものの上にゴロン、と横になり、
昼間着ていたものを上に
掛けたり、あるいは
いわゆる1つの「着の身着のまま」状態で就眠するのが
ほとんどの庶民のスタイルだったらしいです。
そりゃー、
長生きできないわな。
身体、冷え冷えだよ。
ところが、
どーしてそうなのか?
もっとフカフカの布団を
作ればいいじゃないか!
とは思わなかった。
へー、ナルホドねー。
今風のモノはなかったのね。
ふんふん。
………で思考停止してしまった。アホや。
で、今回別件で調べに入り、
やっと、どーしてフカフカがなかったのか、分かりました。
(←遅すぎ!)
●木綿革命、来たる!
フカフカを得るためには
何が必要か?
と言うと、ま、
現代じゃあダウンだけど、
古い時代にそれを求めてもムリ。
まずは綿入れの布団です。
ところが、綿の元たる
ワタの木が、日本にはなかった! 海外輸入品!
8世紀ぐらいに
木綿がちょろっと紹介されたことはあったらしいんだけど、それはあくまでも渡来品として上つ方が賞翫されただけ。
ワタの木の種が輸入され、
栽培が本格化したのが
17世紀のことだそうですから、江戸時代初期。
その後どんどん普及し、
おかげさまで綿100%の
肌にフィットしやすい
着物が大量に出回り、
布団も次第に一般化。
これでやっと、
憧れのフカフカ睡眠が
とれるようになったのです~♪
それまでの日本の繊維と言えば、絹や麻。上流階級はきらびやかに絹をまとえるけど、庶民はもっぱら麻。
現代でも、夏のファッションに麻は欠かせない素材なので、夏場は良かったと思うんですけど、冬場はさぞや寒かっただろうなぁ。ゾクゾク。思わず「貧窮問答歌」の情景を思い出しちゃうね。
そもそも麻は、繊維が固く、木綿のように肌に柔らかくフィットしてはくれない。
木綿は身体の動きに合わせて柔軟に伸び縮みしてくれるから、ともかく動きが楽。
その上、どんな色にも染められる、染めやすい繊維なもんで、これまでは華やかな衣装と言えばおエラいさんだけだったのに、庶民でもいろんなファッションが楽しめるようになった。
江戸時代、あのようにカラフルな縞や柄が着物を飾るようになったのは、ひとえに木綿サマのおかげだった………んだそうです。
資料を漁っていたら、
柳田国男も「木綿以前のこと」というのを書いているのを発見。読んだら上記のような事が書いてありました。
とまあ、こんな具合に、
木綿は江戸時代の日本の
大ヒット商品になりました。
生産に余裕が出来たから、
綿入れの布団やら衣料やらも
作られるようになったんですね。
どてらとか、掻い巻きとか、
歌舞伎の舞台にも登場するけど、江戸時代の風物だからこそ、歌舞伎にも出てくるんだねー。
現代の衣料では、
綿100%も多いけど、
いろんな機能を持たせるために混紡にしてあるものが多いよね。綿だけだと、シワになりやすいから、ナイロンを混ぜて、とか、絹と綿を合わせて、とか、いろいろあるけど、江戸時代じゃ、そもそも
混紡なる先進テクノロジーは存在しなかったんだなぁ。
こうしてみると、私たちの生活って、1つ1つのディテールに歴史の積み重ねがある。先人たちの発明工夫によるテクノロジーの集積物で、毎日やってるわけだ。
江戸時代の人には想像も付かないような生活が、ごくごく当たり前の日常っての、
もったいないような、
有り難いような。
よくよく心して
生活しないとバチが
当たるゾっ!
↑
と、肝に銘じておく、と。
●で、真綿の話。
大分脱線しましたが、
真綿の話に戻ります。
えー、今回調べていて、
初めて「真綿は、ワタの木からは採れない!」ということを悟りました!
木綿とは、全く縁もゆかりもないヤツだったんです!
↑
じゃ、どーして
「綿」の字をキープする
んじゃー!(ToT)
実は真綿とは、
おカイコ様の繭から
採れるモノだったトです!
要は、絹!
シルクの端くれなのだ!
植物性と思い込んでいたら、意表をついて、動物性!
真綿はまたの名を「絹綿」と言うそうで、
「繭を引き伸ばして作った綿。屑繭などから取る。白く光沢があり、やわらかくて軽い」
と、ちゃっかり広辞苑にも書いてある!
ちなみに、Wikipediaには、
「綿(わた)は、繊維、または繊維状のものが絡まりあってひとまとまりの状態になっているもの。
現代日本では、通常、ワタ(アオイ科ワタ属の総称。ここでは、カタカナで書くときはこの意味で使う)から取られた木綿を意味する。しかし、戦国時代に木綿綿が普及する以前の古代や中世では、蚕の繭から作られた絹の真綿を意味するのが普通である。
現代でも、布団や座布団の詰め物は、繊維の種類を問わず「綿(わた)」と呼ばれる。」
という説明もありました。
「ワタ」と来たら、
「木綿」というのは、
どーやらワタクシの勝手な先入観だったんですね。「ワタ」と来たら、「かたまり」で覚えときゃ良かった。
↑
ともかく、最初に調べていれば
良かったのだー_| ̄|○
にしても、このネーミング、何とかならないもんだろーか………。
生産工程を知ってる人には、
常識なのかもしらんけど、現代生活では、カイコの繭すら目にすることはまれですからねぇ。
いや、すっかり長年ダマされてました。
………ってか、またしても、
己の物知らずぶりに打ちのめされた一件でございました。
マル。
↑
ネットで見つけた真綿の写真。「背負い真綿」というのは、背中に背負って、背中を温めるためのモノ、だそうです。結構あちこちのサイトで売り出されてた。隠れた人気商品なのかもしんない。
とりあえず、
ぬくぬく、フカフカが好き~♪(≧▽≦)♪な私は、
木綿も真綿もバンザイ! なのだった。
調べ物をしていると、いかに自分が物知らずであるか、を
再認識させられる。
いや、その、知らない事が多い方がこれから知る楽しみがある、その方がワクワクする。既に知っている事には、誰もワクワクしない………
という話もありますから、
知らなくてちょうどいいのかもしれませんけどね。
それにしても、知らない事って、私の場合、やたら多いよーな気がするんだよなー。_| ̄|○
●真綿色したシクラメン~♪
という歌詞がありましたが、ワタクシ、生まれてこの方、
ン十年以上、
「真綿とは、フツーの木綿の上等なヤツを言うのだろう……」
と、漠然と思い込んでおりまして、調べてみようという気にもならなかった。
ちょうど「ふとん」の歴史を調べていた………と思って下さい。
現代では当たり前の
「敷き布団+掛け布団+枕」で1セットの
おやすみセット、実は
江戸時代も大分後になって、やっと一般的になったのだ………というのを調べておったトです。
大昔、
小野篁(802~852)の話を
書いていた頃、
昔は掛け布団というものが
存在しなかった、というのを調べてました。
敷き布団も、現代のような
フカフカで適度に弾力がある
素材など夢のまた夢で、
ま、かなり、おやすみ事情はよくなかった……というのが分かりました。
大まかに言うと、
薄いシートのようなものの上にゴロン、と横になり、
昼間着ていたものを上に
掛けたり、あるいは
いわゆる1つの「着の身着のまま」状態で就眠するのが
ほとんどの庶民のスタイルだったらしいです。
そりゃー、
長生きできないわな。
身体、冷え冷えだよ。
ところが、
どーしてそうなのか?
もっとフカフカの布団を
作ればいいじゃないか!
とは思わなかった。
へー、ナルホドねー。
今風のモノはなかったのね。
ふんふん。
………で思考停止してしまった。アホや。
で、今回別件で調べに入り、
やっと、どーしてフカフカがなかったのか、分かりました。
(←遅すぎ!)
●木綿革命、来たる!
フカフカを得るためには
何が必要か?
と言うと、ま、
現代じゃあダウンだけど、
古い時代にそれを求めてもムリ。
まずは綿入れの布団です。
ところが、綿の元たる
ワタの木が、日本にはなかった! 海外輸入品!
8世紀ぐらいに
木綿がちょろっと紹介されたことはあったらしいんだけど、それはあくまでも渡来品として上つ方が賞翫されただけ。
ワタの木の種が輸入され、
栽培が本格化したのが
17世紀のことだそうですから、江戸時代初期。
その後どんどん普及し、
おかげさまで綿100%の
肌にフィットしやすい
着物が大量に出回り、
布団も次第に一般化。
これでやっと、
憧れのフカフカ睡眠が
とれるようになったのです~♪
それまでの日本の繊維と言えば、絹や麻。上流階級はきらびやかに絹をまとえるけど、庶民はもっぱら麻。
現代でも、夏のファッションに麻は欠かせない素材なので、夏場は良かったと思うんですけど、冬場はさぞや寒かっただろうなぁ。ゾクゾク。思わず「貧窮問答歌」の情景を思い出しちゃうね。
そもそも麻は、繊維が固く、木綿のように肌に柔らかくフィットしてはくれない。
木綿は身体の動きに合わせて柔軟に伸び縮みしてくれるから、ともかく動きが楽。
その上、どんな色にも染められる、染めやすい繊維なもんで、これまでは華やかな衣装と言えばおエラいさんだけだったのに、庶民でもいろんなファッションが楽しめるようになった。
江戸時代、あのようにカラフルな縞や柄が着物を飾るようになったのは、ひとえに木綿サマのおかげだった………んだそうです。
資料を漁っていたら、
柳田国男も「木綿以前のこと」というのを書いているのを発見。読んだら上記のような事が書いてありました。
とまあ、こんな具合に、
木綿は江戸時代の日本の
大ヒット商品になりました。
生産に余裕が出来たから、
綿入れの布団やら衣料やらも
作られるようになったんですね。
どてらとか、掻い巻きとか、
歌舞伎の舞台にも登場するけど、江戸時代の風物だからこそ、歌舞伎にも出てくるんだねー。
現代の衣料では、
綿100%も多いけど、
いろんな機能を持たせるために混紡にしてあるものが多いよね。綿だけだと、シワになりやすいから、ナイロンを混ぜて、とか、絹と綿を合わせて、とか、いろいろあるけど、江戸時代じゃ、そもそも
混紡なる先進テクノロジーは存在しなかったんだなぁ。
こうしてみると、私たちの生活って、1つ1つのディテールに歴史の積み重ねがある。先人たちの発明工夫によるテクノロジーの集積物で、毎日やってるわけだ。
江戸時代の人には想像も付かないような生活が、ごくごく当たり前の日常っての、
もったいないような、
有り難いような。
よくよく心して
生活しないとバチが
当たるゾっ!
↑
と、肝に銘じておく、と。
●で、真綿の話。
大分脱線しましたが、
真綿の話に戻ります。
えー、今回調べていて、
初めて「真綿は、ワタの木からは採れない!」ということを悟りました!
木綿とは、全く縁もゆかりもないヤツだったんです!
↑
じゃ、どーして
「綿」の字をキープする
んじゃー!(ToT)
実は真綿とは、
おカイコ様の繭から
採れるモノだったトです!
要は、絹!
シルクの端くれなのだ!
植物性と思い込んでいたら、意表をついて、動物性!
真綿はまたの名を「絹綿」と言うそうで、
「繭を引き伸ばして作った綿。屑繭などから取る。白く光沢があり、やわらかくて軽い」
と、ちゃっかり広辞苑にも書いてある!
ちなみに、Wikipediaには、
「綿(わた)は、繊維、または繊維状のものが絡まりあってひとまとまりの状態になっているもの。
現代日本では、通常、ワタ(アオイ科ワタ属の総称。ここでは、カタカナで書くときはこの意味で使う)から取られた木綿を意味する。しかし、戦国時代に木綿綿が普及する以前の古代や中世では、蚕の繭から作られた絹の真綿を意味するのが普通である。
現代でも、布団や座布団の詰め物は、繊維の種類を問わず「綿(わた)」と呼ばれる。」
という説明もありました。
「ワタ」と来たら、
「木綿」というのは、
どーやらワタクシの勝手な先入観だったんですね。「ワタ」と来たら、「かたまり」で覚えときゃ良かった。
↑
ともかく、最初に調べていれば
良かったのだー_| ̄|○
にしても、このネーミング、何とかならないもんだろーか………。
生産工程を知ってる人には、
常識なのかもしらんけど、現代生活では、カイコの繭すら目にすることはまれですからねぇ。
いや、すっかり長年ダマされてました。
………ってか、またしても、
己の物知らずぶりに打ちのめされた一件でございました。
マル。
↑
ネットで見つけた真綿の写真。「背負い真綿」というのは、背中に背負って、背中を温めるためのモノ、だそうです。結構あちこちのサイトで売り出されてた。隠れた人気商品なのかもしんない。
とりあえず、
ぬくぬく、フカフカが好き~♪(≧▽≦)♪な私は、
木綿も真綿もバンザイ! なのだった。
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P R
『真綿で首を絞められた』
状態だったと。
ちなみに、英語で似たような表現がある、と娘が調べてきた。いわく、
美しいギロチンで首を落とされる……
ギャーっ!