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ヴァチカンは、やっぱりお宝の山だった。
●これを外して何とする!
奈良旅行で大騒ぎしていた
火・水・木・金の後は、
初めてののぞみ乗車(静岡から乗る時はひかりが標準)で
東京へすっ飛んで行き、
ソーニョ練習でしごかれ、
一泊して翌日は
小石川の凸版印刷ビル内の
印刷博物館で25日から開催されている
「ヴァチカン教皇庁図書館展II」へGO。
宗教学専攻なら、行くしかないっ!
●まずは、トッパン様の偉容を見よ~(≧▽≦)
↑
フツーのビルと比べると、
その巨大さが分かる!
デカい!
スゴい!
この中に、ミュージアムも、
コンサートホールも、
さらにオシャレな
レストランも、喫茶店も入っている。
これまでトッパンホールでの
演奏会に来る機会がなかったので、初体験のトッパンビルに、ただもう、唖然。
いやー、豪華だわ。
●ともかくすさまじいお宝三昧なんですヨー(@_@)
まず、メイン展示会場に
入る手前のエントランスホールに、
印刷の歴史をたどる展示がある。これがまた、楽しい。
羊皮紙やらパピルスやらの
レプリカ満載の上に、
古代から現代までの
印刷歴史がステキな
フィギュアで綴られている。
もうこれだけで、
へーへーほーほーして、
結構な時間をかけて
観てしまった。
いかん。
この調子では、
いつまで経っても
トッパンビルから
出られない!
メイン展示に行っくぞぉ!
●まずは、カトリックの資料でワクワク!
↑
1511年版のラテン語聖書。イタリアで作られたもので、
旧約聖書の「創世記」冒頭。
左頁の挿画は、
天地創造の図。
なんか、その辺のオジサンが
庭仕事でもやっているような
雰囲気で、天地万物が
創造されとる!
きれいな絵柄なんですが、
ちょっとイメージ、
違うんですけど(^◇^;)
↑
で、いきなりの重要文献、
来た~~~~(≧▽≦)
1546年の「トリエント公会議決定集」。
カトリック教会の、いわゆる全体会議を「公会議」と言って、「三位一体論」を教会の公式見解とする決定………のような最重要テーマを決める会議を指します。
この1546年のトリエント(イタリア語でトレント)の会議は、カトリックとプロテスタントの和解を図ろうとして、延々とすったもんだした歴史的会議。ルターの宗教改革に対して、カトリックはどういう立場をとるか、プロテスタントをカトリックの中に、受け入れるのかどうか、みたいな話し合いがもたれました。
結局のところ、プロテスタントとカトリックは、これ以降別々の道を辿る事になり、20世紀になって、やっと融和が図られて、カトリック・プロテスタント双方で使われる新共同訳聖書が出来る、と。
●ヘブライ語で書かれると、雰囲気、違う~!
1610年出版のヘブライ語聖書。羊皮紙。
オランダのライデンで作られたものだって。
当時、ヘブライ語・アラム語(イエス在世時の世俗語。イエスはもっぱらこのアラム語を使っていた。ヘブライ語は、神聖語で、エジプトで言うなら神官が使っていた神聖文字ヒエログリフ)・アラビア語研究の最先端を行っていたのが、このライデンだったんだそーです。
にしても、ヘブライ語って、
ほとんどメソポタミアの楔型文字みたいだよね。大昔、聖書考古学の初歩で、アルファベットだけは見たことあるけど、ものすごく中東の匂いを感じる字体です。読むのも、
右→左だったような。(ひょっとしたら、
一行目は右→左で、その次は左→右とか、教えられたよーな気もします。どっちにしろ、てんで読めない世界………。
↑
アルブレヒト・デューラーによる黙示録! 迫力~。
他にもボッティチェリが描いたダンテの『神曲』に出てくる地獄の階層図、なんてのもあって、うわー、うわー。
美術史的にもお宝の山です。
美術と言えば、
広大なヴァチカンのどこに、どんな風な雰囲気で
この図書館があるか?
を3D映像を駆使して
紹介するデジタルマッピング映像も見もの。
あ~、こんな
図書館が自宅にあったら
いいのになー。
ルネッサンス時代に、
古代ギリシャ・ローマの文献を大量に収蔵したヴァチカン図書館は、アリストテレスやホメロスやプリニウスや
ガレノスや、ともかく
古代の「ここは押さえとけ!」みたいな文献だらけ~。
上の写真は、ローマの博物学者で有名なプリニウスの「博物誌」。
こちらは古代ローマの建築家
ウィトルウィウスの「建築書」。
元々は、紀元前33~22年頃に書かれた土木・機械・軍学などの技術辞典で、素材論、方位学、天文学などなど多岐にわたる分野をカバーしたもの。
ウィトルウィウスって、初めて聞きましたが、こぉんなものを紀元前に………とても、勝てません。
やっぱりローマ帝国は偉大なのでアル!
↑
ユークリッドの「幾何学原論」。
↑
アリストテレスの「自然学」。ギリシャ語の活字が、この上なく美しい。
●ルネッサンスの次のコーナーは、ローマカトリックと東洋のつながり
イエズス会を創設したロヨラやザビエルらが、ローマ教皇に承認されて、晴れてカトリックの宣教のために、世界中に散っていった話は、司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズの中にある「南蛮の道」で超・詳しく書いてくれてあります。感動します。ご興味ありましたら、是非ご一読を……なんですが、
メイン展示の最後は、
日本にやって来た宣教師たち、またキリシタンとなった日本人をテーマにしたコーナー。
↑
「イエズス会士日本通信」というのがありまして、要するに日本へ宣教に渡ってきたパードレたちがローマへ書き送った報告書集。
写真は、「殉教報告書」!
Gloriosa Morte Novem
と書いてある。
Novemが何なのか、
ちょっと私には分からないんですが、
「グロリオーサ」+「モルテ」で「栄光ある死」だと思う。「殉教」って、神の教えに従って死んだワケだから、その死がどんなに痛ましくとも、神の栄光のうちに死んだのだ、という事になるんだね。うーん。いろいろ考えさせられる言葉でした。
↑
天正少年使節から、お世話になったヴェネツィア共和国政府への感謝状。
左端の方に訳文が付いていますが、美しい筆の日本文字。
ちゃんと4人の花押もありますね。
↑
こちらは、既に迫害が始まっていた頃のもの。迫害に苦しむ日本の信者たちに宛てて、当時の教皇が励ましの教書を送ったそうです。この豪華な金蒔絵風の手紙は、日本のキリシタンたちから、教皇へのお礼の手紙として送られたもの。先に挙げた天正少年使節であった中浦ジュリアンが、この時には神父として、日本の信者たちを導いており、この手紙作成にも深く関わっていたとされています。日本から送る事が出来る最高の美によって、自分たちの堅い信仰の決意を表明したのかもしれませんね。
●オマケ
とりあえず、図録からの抜粋写真で早回しで御覧頂きましたが、この他にも浮世絵の刷りや彫りの実際を見せるビデオシリーズなど、メイン展示以外も、お楽しみがたくさん。これで800円の入場料というのは、破格です。
古い活字を使って、グリーティングカードを
パソコン画面で作成する
コーナーも、とっても
楽しかった!
まだまだ会期は始まったばかり。7月までやってますので、行ってみてくださ~い(≧▽≦)
にしても、ラテン語とか読めたら、もっともっと楽しいよねぇ‥……。
ああ、勉強しとくんだった( ̄。 ̄;)
奈良旅行で大騒ぎしていた
火・水・木・金の後は、
初めてののぞみ乗車(静岡から乗る時はひかりが標準)で
東京へすっ飛んで行き、
ソーニョ練習でしごかれ、
一泊して翌日は
小石川の凸版印刷ビル内の
印刷博物館で25日から開催されている
「ヴァチカン教皇庁図書館展II」へGO。
宗教学専攻なら、行くしかないっ!
●まずは、トッパン様の偉容を見よ~(≧▽≦)
↑
フツーのビルと比べると、
その巨大さが分かる!
デカい!
スゴい!
この中に、ミュージアムも、
コンサートホールも、
さらにオシャレな
レストランも、喫茶店も入っている。
これまでトッパンホールでの
演奏会に来る機会がなかったので、初体験のトッパンビルに、ただもう、唖然。
いやー、豪華だわ。
●ともかくすさまじいお宝三昧なんですヨー(@_@)
まず、メイン展示会場に
入る手前のエントランスホールに、
印刷の歴史をたどる展示がある。これがまた、楽しい。
羊皮紙やらパピルスやらの
レプリカ満載の上に、
古代から現代までの
印刷歴史がステキな
フィギュアで綴られている。
もうこれだけで、
へーへーほーほーして、
結構な時間をかけて
観てしまった。
いかん。
この調子では、
いつまで経っても
トッパンビルから
出られない!
メイン展示に行っくぞぉ!
●まずは、カトリックの資料でワクワク!
↑
1511年版のラテン語聖書。イタリアで作られたもので、
旧約聖書の「創世記」冒頭。
左頁の挿画は、
天地創造の図。
なんか、その辺のオジサンが
庭仕事でもやっているような
雰囲気で、天地万物が
創造されとる!
きれいな絵柄なんですが、
ちょっとイメージ、
違うんですけど(^◇^;)
↑
で、いきなりの重要文献、
来た~~~~(≧▽≦)
1546年の「トリエント公会議決定集」。
カトリック教会の、いわゆる全体会議を「公会議」と言って、「三位一体論」を教会の公式見解とする決定………のような最重要テーマを決める会議を指します。
この1546年のトリエント(イタリア語でトレント)の会議は、カトリックとプロテスタントの和解を図ろうとして、延々とすったもんだした歴史的会議。ルターの宗教改革に対して、カトリックはどういう立場をとるか、プロテスタントをカトリックの中に、受け入れるのかどうか、みたいな話し合いがもたれました。
結局のところ、プロテスタントとカトリックは、これ以降別々の道を辿る事になり、20世紀になって、やっと融和が図られて、カトリック・プロテスタント双方で使われる新共同訳聖書が出来る、と。
●ヘブライ語で書かれると、雰囲気、違う~!
1610年出版のヘブライ語聖書。羊皮紙。
オランダのライデンで作られたものだって。
当時、ヘブライ語・アラム語(イエス在世時の世俗語。イエスはもっぱらこのアラム語を使っていた。ヘブライ語は、神聖語で、エジプトで言うなら神官が使っていた神聖文字ヒエログリフ)・アラビア語研究の最先端を行っていたのが、このライデンだったんだそーです。
にしても、ヘブライ語って、
ほとんどメソポタミアの楔型文字みたいだよね。大昔、聖書考古学の初歩で、アルファベットだけは見たことあるけど、ものすごく中東の匂いを感じる字体です。読むのも、
右→左だったような。(ひょっとしたら、
一行目は右→左で、その次は左→右とか、教えられたよーな気もします。どっちにしろ、てんで読めない世界………。
↑
アルブレヒト・デューラーによる黙示録! 迫力~。
他にもボッティチェリが描いたダンテの『神曲』に出てくる地獄の階層図、なんてのもあって、うわー、うわー。
美術史的にもお宝の山です。
美術と言えば、
広大なヴァチカンのどこに、どんな風な雰囲気で
この図書館があるか?
を3D映像を駆使して
紹介するデジタルマッピング映像も見もの。
あ~、こんな
図書館が自宅にあったら
いいのになー。
ルネッサンス時代に、
古代ギリシャ・ローマの文献を大量に収蔵したヴァチカン図書館は、アリストテレスやホメロスやプリニウスや
ガレノスや、ともかく
古代の「ここは押さえとけ!」みたいな文献だらけ~。
上の写真は、ローマの博物学者で有名なプリニウスの「博物誌」。
こちらは古代ローマの建築家
ウィトルウィウスの「建築書」。
元々は、紀元前33~22年頃に書かれた土木・機械・軍学などの技術辞典で、素材論、方位学、天文学などなど多岐にわたる分野をカバーしたもの。
ウィトルウィウスって、初めて聞きましたが、こぉんなものを紀元前に………とても、勝てません。
やっぱりローマ帝国は偉大なのでアル!
↑
ユークリッドの「幾何学原論」。
↑
アリストテレスの「自然学」。ギリシャ語の活字が、この上なく美しい。
●ルネッサンスの次のコーナーは、ローマカトリックと東洋のつながり
イエズス会を創設したロヨラやザビエルらが、ローマ教皇に承認されて、晴れてカトリックの宣教のために、世界中に散っていった話は、司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズの中にある「南蛮の道」で超・詳しく書いてくれてあります。感動します。ご興味ありましたら、是非ご一読を……なんですが、
メイン展示の最後は、
日本にやって来た宣教師たち、またキリシタンとなった日本人をテーマにしたコーナー。
↑
「イエズス会士日本通信」というのがありまして、要するに日本へ宣教に渡ってきたパードレたちがローマへ書き送った報告書集。
写真は、「殉教報告書」!
Gloriosa Morte Novem
と書いてある。
Novemが何なのか、
ちょっと私には分からないんですが、
「グロリオーサ」+「モルテ」で「栄光ある死」だと思う。「殉教」って、神の教えに従って死んだワケだから、その死がどんなに痛ましくとも、神の栄光のうちに死んだのだ、という事になるんだね。うーん。いろいろ考えさせられる言葉でした。
↑
天正少年使節から、お世話になったヴェネツィア共和国政府への感謝状。
左端の方に訳文が付いていますが、美しい筆の日本文字。
ちゃんと4人の花押もありますね。
↑
こちらは、既に迫害が始まっていた頃のもの。迫害に苦しむ日本の信者たちに宛てて、当時の教皇が励ましの教書を送ったそうです。この豪華な金蒔絵風の手紙は、日本のキリシタンたちから、教皇へのお礼の手紙として送られたもの。先に挙げた天正少年使節であった中浦ジュリアンが、この時には神父として、日本の信者たちを導いており、この手紙作成にも深く関わっていたとされています。日本から送る事が出来る最高の美によって、自分たちの堅い信仰の決意を表明したのかもしれませんね。
●オマケ
とりあえず、図録からの抜粋写真で早回しで御覧頂きましたが、この他にも浮世絵の刷りや彫りの実際を見せるビデオシリーズなど、メイン展示以外も、お楽しみがたくさん。これで800円の入場料というのは、破格です。
古い活字を使って、グリーティングカードを
パソコン画面で作成する
コーナーも、とっても
楽しかった!
まだまだ会期は始まったばかり。7月までやってますので、行ってみてくださ~い(≧▽≦)
にしても、ラテン語とか読めたら、もっともっと楽しいよねぇ‥……。
ああ、勉強しとくんだった( ̄。 ̄;)
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