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合唱のこと、英語のこと、本のこと、友達のこと、仕事のこと・・・とりあえず、ダラダラ続ける日記です。

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オノマトペにちょっとハマっている


 ●五反田の小アクマ・・・になる予定

の、A野さんに教えるために、最近けっこー国文学系に
ハマっていたりする。

現代国語の問題集なんか、かなり難しい
論文風のモノがあったりするし、
大学の方からは、入学までに、これこれの本を
読んでおけ~という膨大なリストが来たりしていて、

あああ、国文科って、やっぱり読むのが基本なんだがね!

と思いを新たにしているところであります。

だいたい自分は国文科に行かなかったもんだから、
こーゆー分野のモノは、読み逃しているモノも結構多い。
今頃になって、改めていろいろ見つけては読んでみている、
というわけ。

●青空文庫

・・・という、なんとものどかなネーミングのサイトがありまして、
今、これがおもしろい。

何か?ってぇと、著作権が切れたものなどを中心に、
名作を読ませてくれるボランティアサイト。
底本をボランティアで入力して、テキストファイルやHTMLファイルに
してくれてあり、読むのはどうぞご自由に・・・なのである。

宮沢賢治なんか、160個ぐらいファイルがある。
昨日は若山牧水の紀行で、「木枯紀行」というのを読んだ。
富士五湖周辺を周遊する話で、各地でやたら飲んでいる。
途中で、土地の人と知り合って、その家に泊めてもらったり、
友人たちと落ち合ってワイワイやったり。まだ雪はないけど、、
終日木枯らしが吹いているという十一月頃の旅の話。

牧水は、富士の姿が大好きで、そのために一家で沼津に引っ越して
しまった人。この旅の中でも、富士山の美しさをさまざまに描いている。
飲んで騒いでばかりいるかと思うと、「あ、そうだ、歌も詠まなくちゃ」と
ハタと気づいて、さくさく詠み出す。
それこそ、10や20はお手の物で、どんどん湧き出してくる。スゴイ。

ちょっと前に、実家の伯父から、学生時代に友達と2人で北海道まで
無銭旅行をした話をおもしろおかしく聞かせてもらったとことがありました。
あの時代の旅の臭い・・・・好きだなぁ。知らない時代、知らない雰囲気の
はずなんだけど、なぜか読んだり聴いたりするだけで、情景が目に浮かんでくる。

はりはりとわが踏み裂くやうちわたす
枯野がなかの路の氷を

という歌がありました。やっぱり、牧水っていいよね。

●オノマトペはマンガの原動力なんではないか?
DSC_0060.JPG












A野の大学から来た推薦図書の1つが、コレ。
著者は小野正弘さんというオノマトペ研究の第一人者!
ともかく、楽しい。語り口の緩急が、非常にナイス。大爆笑しながら、読んでます。

オノマトペって、なんじゃらほい?
という方のために解説しておくと、よーするに、擬音語+擬態語の総称、と
思って下さってかまわんです。「ゴトゴト」も「ぴかぴか」も「シュボっ」も「がーん」も
「さくさく」も「きらり」も、全部そーです。およそ日本人なら誰でも使うモノであります。

古くは万葉集の頃から、日本人はさまざまな様子や物音を、こういう形で
表現するワザに長けていたらしく、そこに一番大切な心の形容が成されている
場合もままある。「じーんときた」の「じーん」ももちろんオノマトペ。英語なんかでは、
こーゆー奥ゆかしい(?)表現はない。英語でオノマトペと言ったら、ほとんど
動物の鳴き声ばっかりで、非常につまらないのでアル。

著者の小野先生、1958年生まれとあるんで、ほとんど我々世代の方。
で、やっぱりむちゃくちゃマンガに造詣(?)が深い。
つーか、マンガというのは、オノマトペ研究には欠かせないよーにも見える。

おもしろかったのが、「ゴルゴ13」がタバコに火を点ける時に定番で用いられる
「シュボッ」は、いつから使われるようになったか・・・? の研究!
小野先生の予想では、連載当初からではないか?・・・だったんだけど、
これが、なかなか。ず~~~~っと第1巻から読み進めてみても、
一向に登場しない。やっと「シュボッ」に出会ったのは、第11巻・・・なんだけど、
これ、ゴルゴじゃない! カンケーない刑事同士が互いにタバコに火を点けてやっているシーン。

ゴルゴ本人のタバコが「シュボッ」になるのは、第35巻!「独裁者の晩餐」という
回でようやく・・・なんですと。ご、ご苦労様でした~~~!
(ちなみに、小野先生の一番のお気に入りのオノマトペは、
「ぷにぷに」だそうです。ネコの肉球のあの、ぷにぷに・・・・)

ゴルゴがタバコに火を点けるなら、この音だな!
っていうのに、作者のさいとうたかをさんも、長年描いていて、
やっと巡り会ったのかもしれませんネ~。

つらつら考えてみたんですが、現代のマンガというのは、
動きを表すためには、オノマトペが必要不可欠なんです。
かつてののらくろ三等兵辺りや、サザエさん・イジワルばあさんの世界では、
ほとんどオノマトペは画面に登場しません。現代のオノマトペを多用するマンガに
慣れた私たちが読むと、非常に絵が「止まっている」感じがします。むろん、
中心線その他、人物の動きを示す描線が今のマンガには非常に多いわけですが、
そういう現代マンガでも、オノマトペを付さないと、実は私たち読者は、
そこに登場人物の動き(身体・心両方とも)を感じられないように思います。
試しに、オノマトペ抜きで読んでみて下さい。ヘンですから。(実は今、
家にあるマンガを確認して、せっせと分析して喜んでいる。オノマトペをほとんど
使わずに、見事に画面を動かしているのは「チェーザレ」の総領冬美ぐらいかな~)

考えると、不思議なものです。私たちは、マンガを見て、そこに
映画のような動き、三次元的動き、あるいはエモーショナルな動きを
感じています。本当は二次元に描かれたものなのに、とても生き生きと
生きて動いているように読んでいます。不思議です。今まで気づかなかった
けれど、実はオノマトペが果たしている役割って、非常に大きいかもしれません。

●おまけ

青空文庫で、和辻哲郎の随筆を読みました。
これが、傑作! 短いものなので、すっと読めますヨ~。
是非、check it out! して下さい。題名は「土下座」です。





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