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合唱のこと、英語のこと、本のこと、友達のこと、仕事のこと・・・とりあえず、ダラダラ続ける日記です。

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資料の整理をしているのだが、これがなかなか。
●5月に大フィーバーした

国立科学博物館での『医は仁術』展の資料整理を始めました。

一応、簡易図録風の「公式ガイドブック」なるものを
金2,000円也で購入はしてきたんですけど、

多分こちらの欲しい情報の全てが
載っているわけではないだろう、と踏んで、
会場内撮影自由、だったものだから、
やたら大量に写真を撮ってきました。

けど、スマホで撮っているので、
文字の解析力があんまり良くない。
欲しい資料の文字がつぶれちゃってたりして、
ヒイヒイ(ToT;)

案の定、公式ガイドブックでは、
「なぜ、この重要な資料が無視されているんだっ!」
という具合。

蘭学から近代西洋医学への流れを追い、
さらに最先端医学ではこんなことをやっている、
という方向で編集されているので、

こちらが欲しい東洋医学とか、
江戸時代の民間医療関係の資料が
図録にない~~~~~!

今日は、「モグサの作り方」の資料写真を
せっせと解読し、何とか資料にまとめ、

中国から渡ってきた検死の教科書
「無冤録述(むえんろくじゅつ)」の
資料写真を読み解いたりして、一人、至極満足。

この無冤録述は、江戸時代に実際に
検死の参考書として使われていたものだそうで、
どういう死因だと、どういう身体的所見が出るとか、
ともかく事細かに記述されています。
なかなか実際に目にすることが出来ない資料なんで、
今回見られて嬉しかった。

が、この本の資料写真は、ちゃっかり公式ガイドブックからは
抜け落ちておった!  ふっ。やっぱりネ。(T-T)

華岡青洲が実際に使っていた手術用具であるとか、
江戸時代に流行った南蛮渡来の妙薬「ミイラ」であるとか、
「おお、これが実際のものか~~!」
で一人で興奮してたんですけどネ。ヘンですけどネ。

昔から、なんか、医学史って好きなんですよ。
伝説的名医曲直瀬道三の名前がちゃんと記載されている
文書とか、ともかくこれだけの資料が一堂に会する
機会なんてまれなので、ほんと、行けてよかった。

●腑分けとか解剖図とか、いろいろあった

んですけど、資料写真をここで載せると、
うう、気持ちワルイ・・・という方も
いらっしゃるかと思いますので、遠慮しときますが、

でも、実際、驚異でしたよ。

一番最初の解剖図の頃は、
伝統的な「五臓六腑」のイメージに
描き手も支配されてるもんだから、
見て描いているんでしょうけれど、
なんか、てんで実際とは違うモノになっちゃってる。

それが次第に、西洋風写生術も入ってきたのか、
ものすごくリアルに描くようになる。
シーボルトの絵師をしていた人が描いた図、
なんてのがありましたから、
実際にどうなっているのかを正確に描くことで、
医学教育に役立てよう、という機運が盛り上がって
いったんじゃないか、と思います。

会場で見ていた時、関西弁の男性2人が
見てらして、「うん、そのまんまだね」かなんか言って
ましたが、うん、きっと学会とか何とかで東京に
出張してらした関西のお医者さんでしょうね。

西洋では十七世紀くらいからだったか、
かなり正確な解剖図が描かれるようになって、
その流れが遠く日本にまで流れ着いたわけですが、

初めて人間の身体の中身を見て、
そのシステムの複雑さ、精緻さに、
見た人たちは度肝を抜かされたことでしょう。

これほど複雑な構造のものが自分の中にも
あるなんて、それが毎日、意識もしないで
正確に機能してるなんて。

現代の私たちが見ても驚異の小宇宙だってぇのに、
江戸時代の人が見たら、それはもう驚天動地だったでしょう。

で、魚やら鳥やら、ネズミやらも解剖してみて、
それも精緻な図にしたものが出品されていましたが、
人間も、動物も、みんなこういう仕組みで成り立って
いるんだ! って分かった時って、ほんとに目からウロコだった
ことでしょうね~。

魚や鳥は、食べる時に何となく見て分かってたんでしょうけど、
人間もおんなじような構成要素を持っていて、おんなじように
骨があり、筋肉があり、内臓がありっていうのを知るって、
まさに革命的な知的発見だったはず。

こういった先人たちの目からウロコが、
現代の最先端医療にまでつながっているんだよね。
いやはや、人間の知的好奇心って、すごいもんです。

●日本人は外国語っぽいカタカナ語名が好き

江戸時代に流行った薬の類もいろいろ展示されていて
楽しかったのですが、

有名なウニコールのが少なかったかなぁ。

*ウニコールというのは、「ユニコーン」のことで、
伝説の一角獣のこと。ヨーロッパでものすごく流行った
んですけど、もちろん想像上の動物なんで、ホントの
ユニコーンじゃない。海に住むイッカクの角だとか牙
だとかを採取してきて、伝説のユニコーンの角から採れた
万能薬、として販売されていました。

で、これが日本にも輸入されていたようですね。
何に効いたのかしらん。

さらにヘンな薬が「ミイラ」。これもヨーロッパで
大流行したんだけど、ほんとに、エジプトのミイラを
粉にひいていたらしい。もっとも、おかげでミイラの
供給が不足しちゃって、偽ミイラを使っていた、という
話もありますが、なんでこんなものを?

一説によると、キリスト誕生の時に東方の3博士が
持ってきたものの1つとして有名な「没薬」(もつやく)のことを
「ミルラ」と言うもんだから、それと「ミイラ」を混同したっていう・・・・。

ちょっと、おバカ?!

で、日本では、何となく南蛮渡来のカタカナ語の
薬は「ありがたいものだ!」という信仰(?)が
出来ちゃったみたいで、

幕末くらいになると、日本で作ってる薬なのに、
カタカナの名前を付けて売り出して、大当たり、みたいな
のが増えたそうです。

『医は仁術』展にも看板が出ていましたが、
「ウルユス薬」というのがヒット商品。

「ウニコール」にサウンドが似てるもんだから、
似たような薬ではないか?
ってんで、ヒットしちゃったのかなぁ。


  ↑
黄金の馬に乗った西洋人が薬を運んでくる、みたいな図案。
西洋渡りだから、効くゾ、という主張らしい。

調べてみましたら、
胃腸薬で、胃の重いのを空にする、みたいな
効能のものだったのか、
「空」という漢字を分解して、
「ウルユス」にしたんだって。

洒落、なんですねぇ。

でも、現代の薬も、シャレとか語呂合わせみたいな
ネーミングばかりですよね。で、ほとんどみんな
カタカナ。

これはもう、日本の売薬の伝統なのだろーか?
一見外国語、中身は日本語のシャレ。
見た目はカタカナ英語、中身は日本ジョーク。
こーいうのが、一番ウケるのだろうか?
ま、おもしろがってウケた名前の方が
記憶に残るので、忘れないっていう効果は高い。
してみると、ついうっかりミョーなネーミングに
ウケてしまい、次に買いに行く時も、
それをうっかり手に取ってしまうという、
いわゆる1つのサブリミナル効果で買わされているのか!?

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そりゃもう
ナメクジ退治に

ナメキール!!


除草剤には

クサトール!!


殺菌剤には

キンコロス!!
  • from 野良犬 :
  • 2014/06/02 (22:28) :
  • Edit :
  • Res
無題
胃腸薬でイニヨインってのがあったような。
  • from うり坊 :
  • 2014/06/02 (23:14) :
  • Edit :
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