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合唱のこと、英語のこと、本のこと、友達のこと、仕事のこと・・・とりあえず、ダラダラ続ける日記です。

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またひとつ お別れの日が
●ここんところ お別れが続く

4月は長野の伯母を見送ったばかり。
5月は、相方がずっと親しくさせていただいた恩師が亡くなった。
親しい友人でご家族を亡くされた方もあり、
なぜか別れが続くシーズンになっている。

出会いがあれば、別れもあるものだけど、
年をとるということは、つくづく
別れを重ねることだ、と思うことがある。
その時々に、後悔や嘆きや、一人では抱えきれない
いろいろなものを、誰もが抱え込んで年を重ねていく。

生きていれば、やり直しがきくこともある。
けれど、亡くなってしまった人には、
もうやり直しをしてもらうことができない。
ああすればよかった、
こうすればよかった、
と必ず思うものだけれど、
それをやり直す機会は、もうない。

だからこそ、人は
亡くした誰かをいとおしみ、
いつまでも忘れることがない。
心の中でいとおしく反芻しつづけることでしか
人は前に進むことができない。

14日に、親しいうちのおじさんが亡くなった。

子供の頃から可愛がってもらい、
最近は畑でとれた
輝くばかりの野菜を毎年たくさんもらっていた。

ここの家は、母の小学校の同級生のうちで、
ご夫婦は同級生どうしで結婚している。

おじさんは、80歳だった。

ということは、亡くなった母が今生きていたら
80になっているのだ。

不思議な感慨を覚えた。

80になっている母を想像するのが難しいのだ。
母の姿は、亡くなった時のままで、私の中に固定されていて、
それ以上年をとることがない。

それが幸福なことなのかどうか、
私にはわからないが、

あと二年すると、母が亡くなった年になる。
私は、母が到達したところまでに、
その年で追いつけるのだろうか。

●このご一家とは不思議な御縁で

親族同様のおつきあいをしてきた。

おばさん(とは普段呼ばないが)が
長い間、うちに勤めてくれていたため、
ほとんど家族同様なのだ。

小学生時分は、ほとんど家事をやってくれていたので、
私はおばさんの料理で大きくなったようなものだ。

一人息子がいて、こちらは兄貴分みたいなもので、
父の葬儀の時も、「大丈夫?」と駆けつけてくれた。
税理士なので、相続税の計算でわからなくなると、
「兄貴、助けて~」
で来てもらい、さんざんこき使ってしまった。

子供の頃は、うちの母が私たち二人を連れて
あちこち旅行に出かけてくれた。
兄弟のようにして過ごした時間が懐かしい。
平安の昔だったら、乳母子(めのとご)関係かもしれないね。

亡くなったおじさんは、タクシーの運転手さんを昔やっていた。
普段は忙しくて、家に遊びに行っても、なかなか
おじさんには会えなかったが、一度だけ
街の中でおじさんに会った。

それはまだ私が15,16歳の頃だと思う。
うちに新しく勤めた若い人(その頃うちは眼科医院で、
看護婦さんたちは住み込みの人もいた)を連れて
買い物か何かに行ったんだと思う。

で、二人して帰り道がわからなくなってしまった。
要するに、迷子!

荷物は多いし、道は不確かだし。

で、ままよ、でタクシーをつかまえた。

まだ子供だったから、一人でタクシーに乗るなんて
贅沢は考えたこともなかったが、他に思いつかなかった。

タクシーに乗ったら、
「あれ~、○ちゃんじゃないか。どうしたの~?」
と運転手さんが後ろを振り返ってニッコリ。

おじさんが人懐こい顔で笑ってる。
途端にほ~っとした。

気恥ずかしかったけど、うちまで送ってもらった。

大人になって、母を亡くして、
一人っ子だったので実家に帰り、生活しはじめた。
おじさんは退職して悠悠自適に、畑仕事を始めていた。

毎年それはもう、輝くばかりの、大粒のトマトを
たくさんくれた。

それは、夏の息吹そのままで、
こんなに美味しいトマトは、どこを探してもなかった。
たまねぎやじゃがいもも、その時々に採れるものを、
毎年たくさんいただいた。

でも、私の中では、やっぱりトマトが最高で、
毎年楽しみに待っていた。
その時期になると、スーパーで美味しそうなのを見かけても、
「いやいや、そろそろおじさんのトマトが
もらえるはず!」
と買わずに帰ったりした。
あんまり好きなので、絵に描いておじさんに
贈ったりしたこともあった。

私にとっては、おじさんのトマトは、
おじさんの人懐こい笑顔と同じ。
大好きだった。

今年はもう、夏が来ても
あのトマトには会えない。

そうやって、年々、
何かが変わっていく。

変えたくなくても、
変わってしまう。

後戻りのできないことの
なんと 多いことか。

思い出の中で、
鮮やかな赤だけが
蘇る。
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