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合唱のこと、英語のこと、本のこと、友達のこと、仕事のこと・・・とりあえず、ダラダラ続ける日記です。

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ハリポタ英米対決
●また英語ネタで押してみる、と。

先日来、本の整理を始めており、段ボール2箱分のペーパーバックを引き取ってもらったところなのだが。

英会話レッスンの参考になりそうなモノや、単に自分の英語オタク心をそそるモノは、手元に残し、時々開いてはニマニマしている。

古いファイルを見つけて、
「何だ、これ?」と
開いてみたら、昔、カナダに
語学留学するという
妹分のYちゃんに半年くらい
レッスンした時の自作
教材だった。
「これ、使えるかも~(≧▽≦)」
 と、レッスン教材棚に
入れ直したりして。

えーと、全体の分量を
減らすの、難しい………(-_-;)

●この前Mみちゃんにおねだりして

アメリカに留学していた
お嬢様の蔵書をお借りして
います。

ハリポタの本、
巻が進むにつれ、
どんどこ容赦なく
分厚くなっていった……と
いう話で盛り上がっていた時、
アメリカ版がうちにあるよ~、
と教えてくれたので、
「貸して、貸して!」と
ねだってみたのでした。

どこかで小耳に挟んだ
事があるのですが、
ハリポタのイギリス版と
アメリカ版は使ってる
言葉とか何とか変えてある、
みたいな話がありましてね。

で、実地に読み比べて
みよう! と。

●結論。やっぱりちょっと変えてある!

お借りしたのは、
これでもか! と
超分厚いハードカバー。

「不死鳥の騎士団」と
「Half-Blood Prince」(邦訳タイトル、知らない………)の2冊です。

まだ「不死鳥の騎士団」の冒頭部分をチラ見しただけなんだけど、

なぁるほど、確かに
違う!

と言っても、内容や
ストーリーの筋を
変えてあるワケではなく、

主に、表記法の統一の仕方が
違うのです。

出版社ごとに表記法ルールが
違うので、そのせいかも
しれないけれど、

意外とアメリカ版の方が
表記ルール、厳密。

前の文章を受けて、
「それはこういう事で~」と
説明文が続くパターンでは、

イギリス版は、前の文を
「.(ピリオド)」で終わらせて、説明文は新たな文章として続けている。

アメリカ版は、前の文の
最後に「;(セミコロン)」を
付けて、次の文をつなげ、

後の文は、前の文の説明
だよ、と明記してる。

ちょっとビジネス文書っぽい?

イギリス版では、
ハリーが親友のロンや
ハーマイオニーからの
手紙の文章を思い出して、
頭の中で反芻している
シーンでは、

回想の文章は斜体字統一
だけど、

………例のあの人については、ここでは書けないわ、わかるでしょ?…………手紙を盗み読みされた時の事を考えて、大事な事は書いちゃ駄目って言われてて………いろいろ忙しくしてるんだけど、詳しくはここでは書けないんだ…………

みたいな感じで、単に「………」だけ間に入れてある。ハーマイオニーの手紙だったり、ロンの手紙だったり、と、書き手が途中で変わっているんだろうな、と読めるんだけど、特に特定しなくていい、という書き方。

これがアメリカ版は、(斜体字統一は一緒だけど)

………「例のあの人については、ここでは書けないわ、わかるでしょ?」…………「手紙を盗み読みされた時の事を考えて、大事な事は書いちゃ駄目って言われてて」………「いろいろ忙しくしてるんだけど、詳しくはここでは書けないんだ」…………

という形式。英語では"  "で1つ1つの文が囲ってある。

表記ルールが違うと、
やっぱり何か違う雰囲気。

イギリスとアメリカで
ビミョーにスペルが違う
単語も、丁寧に変更している。

「花壇」
イギリス………flowerbed
アメリカ………flower bed

「通りがかりの通行人」
イギリス………passers-by
アメリカ………passersby

こーいうごくありきたりの
単語って、表記が違っても、
フツーは読み飛ばしてしまう
ので、どっちでもいいじゃん!

なんだけど、
校正やってると、
字の統一が気になる
んだろうなぁ。

日本語の校正に私も
関わっているので、
「聞く」と「訊く」とか、
「答える」と「応える」とか、
「乗る」と「載る」とか、
常にチェックしてしまう
という悲しいサガが身に付いて
しまったが、英語校正者も
そーなのかもしれない。

で、イギリスでしか
ほぼ使わない単語とか、
アメリカっぽいものに
言い換えたりしてるのかなぁ?
と思っていたのだが、

これが意外と
そーでもないようだ。

最初の方で
posh(お上品な)が
出てきたんで、
こんなイギリスっぽい
単語は絶対変えているに
違いない! 
と喜んで読み比べてみたが、
おんなじでしたー。ちぇー。

関係代名詞の用法で、
正しくはwhom………という
箇所を1つ発見しましたが、

なんと、イギリス版は
who。アメリカ版がwhomに
直してある。

whoでも許容範囲なんだけど、
厳密にはwhomなんで、
著者校正で直したのかなぁ。
アメリカ版出版社サイドの
校閲者の意見を取り入れたの
だろうか。

他にも、誕生日の贈り物として
届いたチョコレートの箱を、
ムカムカしてたもんだから、
開けもしないで、ゴミ箱に
放り込んだ………の表現が
いじってあったり。

ハリーがふくろうポストで
魔法新聞を受け取るために、
朝5時に起きる、という
ところで、

イギリス版はwoke(wake起きるの過去形)なのに、
アメリカ版ではawoke(awakeこちらも起きるなのだけど、
ニュアンス的には起こされるとか、いやいや起きるっぽい)に
変えてあるとか、

ちまちまチョコチョコ、
変えてあります。

でもまあ、読者は
ほとんど気付かないでしょうネ。まあ、イギリス版と
アメリカ版を読み比べて
ヘーヘーしてるのは、
私のよーな英語オタク
だけだろうし、
校正がどーなってるのか
気になるのも、仕事柄でしょう。

私も校正の仕事を始める
までは、そんな細かい事には
てんで気付かないで、
ストーリーにのめり込んで
ましたっけ(遠い目……)。

今や誤植があると、
瞬間的に分かるもんなぁ。
職業病だぁ。

●結論の結論

イギリスだから、
アメリカだから、と
ひとくくりには出来ない
ですが(結構出版社に
よって表記ルールは
違う! というのが日本でも
お約束なので)、

やっぱりビミョーに
違ってました~(≧▽≦)

英米の小説を読んでいると、
だいたいにおいて、 
表現力豊かっつーか、
やたらにいろんな
ニュアンスのおもしろい
言葉を使っているのは
イギリスもの。

アメリカの作家でも、
イギリス英語で書いてる
感じの人もいますねー。
(で、他の部分がけっこー
アメリカ風なのに、
急にcentreとかイギリスの
綴りが出てくる)

poshもそうだけど、
イギリスの方が断然
おもろい単語が多い
せいかもしれません。

頬(cheek)から派生した
cheekyなんてのありますが、
これ、意味は
「ふてぶてしい、厚かましい、
生意気な」。

なんで頬っぺたが厚かましい
のか?

ってぇと、
「頬に舌を隠す」=「皮肉な、本心を隠して言う、皮肉に嘲る」(tongue-in-cheek)という
表現が昔からあるため。

cheeky、けっこー最近
よく聞きます。

新語なのかも。

BBCの英語講座
聴いてると、
「何それ?」
みたいな新語が続々と
登場したりします。

意外とアメリカンの方が
保守的で、イギリス人の方が
革新的なのかもね。

やっぱりビートルズと
ストーンズとクィーンを
生んだ国だぁ。

●オマケ写真



アメリカンなハリポタ冒頭。
見開きで、16箇所も変更が。
少ないところもあるけど、
ハンパなく直しがありそう!
そして、この本、870ページも
ある! 校正地獄!!



こちらはハリポタとは
関係ないけど、積ん読して
いたおもしろい本。
日本の俗語スラングを
詳細に研究しちゃってる。
「あなた」→「おまえ」→「てめー」「おめー」とか二人称の活用があって、このシチュエーションでは、これは使わない方が良い、とか書いてある。最近の俗語「デコる」なんてのまで網羅してあって、ものすご楽しい。

奥付け(英語の本だと前付けだが)によると、初版は1992年だが、版を重ねて、2008年時点で11刷だって。隠れたベストセラーか?!

こんな本を出版してるのは、
どこの出版社だぁ?!

と見てみたら、
懐かしのボストン。

そして、出版社名は、

シャンバラ・パブリケーション。

よりによってシャンバラ(≧▽≦)!!

やるな、ボストン!






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