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合唱のこと、英語のこと、本のこと、友達のこと、仕事のこと・・・とりあえず、ダラダラ続ける日記です。

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はじめに何があったのか・・・?
●「地獄の歴史」を一旦お休みして

関連資料を漁っていたところ、
アイザック・アシモフの書いた
「In the beginning Science Faces God
in the Book of Genesis」
というのにぶつかってしまいました~!

創世記の一行一行を細かく検分して、
どこがどう現代科学と相容れないのか、
あるいは、ケッコー似たような発想をしているのか、
を、とぅとぅたぁらり、とぅたらり・・・とアシモフ
先生が解説してくれる超おもしろいエッセイです。

発行は2009年10月なんで、紙の本だとまだ
14~15ドルくらいするんですが、
Kindleでは11ドル99セント。おっ得~!

アシモフさんは、ロシア系ユダヤ人移民の子で、
ご家庭内はやっぱりユダヤ的伝統に触れる
機会もあったのでしょう。

が、かなり小さい時にアメリカに来て、
すぐに地元の小学校に入ってしまったので、
大きくなるまでヘブライ語なんか勉強した
ことがなく、気持ちはすっかり生粋のアメリカン
だった・・・と別のエッセイに書いてありましたが、

この本の中では、ヘブライ語の解説も
さまざま出てきますし、また聖書考古学も
網羅されていらっしゃる感じで、科学読本+
聖書学の本、という二重に楽しい作り。

アシモフさんによると、創世記の初めの方は、
「P資料」なんだそうです。

聖書考古学の講義を聞きかじった私には、
それだけで「むきゃ~~~♪」だったりしますが、
ふつーの人はご存じありませんよネ。

解説します。

●旧約聖書の4資料説ってのがあるんですヨ

旧約聖書っつーのは、実にパッチワーク構造の
ものでありまして、一つの書物(「創世記」で
あったり、「出エジプト記」であったり、ですね)を
必ずしも一人の作者、あるいはひとつの時代に
書かれた資料で埋めていないのデス。

途中から違う時代に書かれた文章が
挿入されていたり、なんてのがザラに
あるそーです。

例えば有名なモーセの十戒ですが、
旧約聖書のあちこちに、実は別の十戒が
ちょこまか顔を出していたりするのです。

どうやら民族の守るべき掟というのが、
時代の移り変わりの中で、ああだ、こうだ、と
いろいろ述べられて、それらの断片が
あちこちにパッチワークされている・・・らしい。

聖書考古学に詳しい先生なら、
きちんと説明して下さるんでしょうけど、
私はヘナチョコなんで、ま、こんな
説明で無理矢理納得して下さい。

で、くだんの「P資料」に戻ります。

そも、「P」とは何ぞや?

・・・ですよね。

はい、「P」は「Priestプリースト」の「P」
でございます。要するに「祭司」階級のことで
ございます。なんで「祭司」かっつーと、
書いてるものが主に祭儀に関することを
記述しているから、なんだそーです。

他には「J資料」「E資料」「D資料」というのが
ございます。
・Jは簡単に言えば、神の名の記述
として「ヤハヴェ」を用いているもの
・Eは神の名の記述に「エロヒム」を
用いているもの
・Dは申命記(Deuteronomy)の記者であるということで、これは上の3つとはちょっと感じが違うみたい。
ちなみに申命記は「第二の律法」とか律法の
「写し」あるいは「繰り返し」という意味だとか。


・・・ま、そのヘンはおいといて。

Pちゃんに戻ります。

アシモフさんのお話によると、P資料というのは、
バビロン捕囚時代のものなんだって。

ここでさらに解説します。
バビロン捕囚っつーのは、紀元前6世紀のこと。
ユダヤ人が
新バビロニア軍に捕らえられ、バビロニアに
強制移住させられた事件です。王様も貴族も
たくさん捕まって、王様なんか目を潰されて
しまった・・・と書かれています。この頃、故郷を
思って泣いた歌が詩編の「バビロン川のほとりで
私たちは泣いた・・・」になったわけで、合唱を
やっている人は歌ったことがあるんじゃないかなぁ。


・・・ううむ、なかなか
何故創世記の冒頭がPちゃんで
むきゃ~♪なのか、という肝心の
話に入れない・・・。

要するに、この時代のユダヤ人は、
バビロニアに住んでいたので、
バビロニアの天文学やら神話やらに
影響を受けており、それが創世記の記述の
中にも現れているのだ! っていう話なんです~。

ああ、解説が長い。


つまり、創世記冒頭の天地創造の話の中に、
こぉっそり、バビロニアの神マルドゥクが悪龍
ティアマットを退治して、はじめて天地創造が
出来たみたいな話が隠されているってわけ
なんですヨ~。

いかん。

神話学に興味のないヒトには、
余計、わけわからん。


興味の出た方は、アシモフさんを
読んでいただくってことで、

一つ、目ウロコねただけ披露。

●一日のはじまりって、一体いつ?

っていうネタです。

現代人は時計という便利なツールのおかげで、
一日24時間の始まりは、便宜的には夜中の0時と
しています。

もっとも、夜中の0時を開始点にして、一日の
仕事を始めるってぇヒトは、それこそ少数派で、

感覚的には、夜が明けたら、
一日が始まるってのふつーだと思います。

朝、太陽が昇り、人が、町が目覚め、
一日が開始される。それがやがて夕方になって、
陽が落ちると、ああ、そろそろ一日が終わるな、
アフターファイブは生ビール飲みたいな、みたいな
感じになる。で、たいていは夜中の0時前後を
一日の終わりとして、就寝するわけです。

ところが、バビロニアでは、
一日の始まりは、朝じゃなかったのデス!

日が沈む瞬間。これが一日の始まり!
だから、とりあえず、夜が来る。
で、夜中を過ぎ、夜明けになって、
そのまま夕方に向かう辺りが、一日の終わり
だったんですって!

奇妙~!!

バビロニアのあったチグリス・ユーフラテス流域は、
よっぽど昼間が暑くて過ごしにくかったのかなぁ。
それで、夜が来るとほっとして活動を始めたのかなぁ。
・・・なんて想像していたんですが、
どーしてか? はアシモフさんも書いてくれてません。
そのうち、何かで見つけるかもしれませんが。

で、このバビロニア風の時間感覚が
聖書の中に現れているんだそーです。

そ、そー言われてみれば、創世記の記述では、
「夜が来て、朝が来た。これが第一日目である。」
とか書いてあった!

「夜が来て、朝が・・・」は単なる語調とか、
文学的表現かと思っておった!
そうじゃなかったんだぁ。

ちなみに、このような時間感覚は、実は
キリスト教の中にずっと生き残っていたよーで、
例えば、誰もが知っている「クリスマス」と
「クリスマス・イブ」の関係。

一体、どこからどこまでが、
「クリスマス」なんだか、よくわからない。
日本では、とりあえず「イブ」が一番大事な
デートの夜・・・になっちゃってますが、

一日の始まりが夜から(つまり、現代の感覚から
言うと、前日の夜=イブ)なので、必ず
前夜祭のよーに前の晩からお祝いが始まって
いたんですネ~。

は~、ちっとも知らんかった。

・・・てなことを拾い上げては、「へーへーほーほー」
している今日この頃であります。

仕事に直接関係なさそーなブツに
ハマっているよーな感じなんですが、
ところがどっこい、途中でかなり「む!これは!」
みたいなネタをたくさん拾えています。

あ~、やっぱり神話学や宗教学はおもろい。

ついつい、資料読みにハマって、
昨夜のひびき役員会に遅刻したのは私です。

●本を送ったら、電話の嵐が巻き起こった!
100730_1851_01.jpg
父の大学時代からのお友達の先生を
中心に本をお送りしたら、夕方お礼の
電話が嵐のよーにやって参りました!

父の兄弟子の先生のお話によると、
追悼文集に執筆を、という話、父の兄弟子たちにも
来たそーなんですが、その時ちょうど体調を損ねて
いる人たちばっかりで、結局執筆はお断りしていた
んだそーです。

うちの父は、とりあえず書きたがりなもんだから、
病室でせっせと口述筆記させたりして、ともかくも
文集に掲載していただきました。大・大好きな恩師の
思い出を、どうしても形に残しておきたかったようです。

お送りした先生たちも、ものすご喜んで下さいました。
は~、お送りした甲斐があった。

藤枝にいらっしゃる同期の先生の奥様(先生は大分前に亡くなっている)は、私も小さい頃に随分可愛がっていただいた方で、父の葬儀の時も、全く入院も何も
お知らせしていなかったにもかかわらず、新聞の通知を見て駆け付けて下さった。

本が届いたというので、すぐにお電話下さり、
父の入院中の話など、またいろいろ話していたら、
やっぱりちょっと涙が出てしまった。

悲しいというのとは、ちょっと違うんですけど、
入院していた頃の父の様子のあれこれを
脳裏に思い描くと、ああ、もうあんな風に
やってあげられないんだなぁ・・・と思ったら、
ぐっと来てしまった。

どうもベタベタ親子なんで、
未だにファザコン・・・らしいです。

写真は、父の兄弟子先生が、「お盆のお供えに」と
本と入れ違いで送って下さった松本の銘酒。
「大信州」というすっごいネーミングです。
早速今夜晩酌してみましたが、フルーティーで
美味しい原酒でしたぁ。
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