緩和ケアに入りました

●イキナリ、何の話だ？

という感じになっちゃうんですけどね。
先日、調子のいい事を書いていた
もんですから、びっくりの方も
いらっしゃると思います。

え～、父の容態の件です。

精神的には非常に良い状態で、
よく話すし、high spiritなんですがね。

身体の方は、水腎症を起こしており、
腎臓が腫れ上がっていたり、
前立腺の方から骨転移があったり、
心臓は心不全があったり、

で、まあ、要するに多臓器不全。

まだ積極的治療をすることも
十分に可能なのですが、
最先端技術を駆使してもらって、
延命しても、完治するわけではない。
自分としては、ここまでで十分。
非常に満足している。
痛みがひどくなるのはかなわないので、
痛みだけ取ってもらって楽に逝きたい。

とまあ、こういう意向なのです。
長年、こういう希望を強く持っており、
最終的には、どう生きて、どう死ぬかは、
選べるものなら、選ぶ道をいきたい・・・
と、私も言われ続けてきました。

主治医の先生方とも相談し、
結局父の意志を尊重することに
なり、積極的な治療は輸血も
含めて一切せず、痛みの緩和ケア
だけしてもらう、という事になりました。

本人は、悔いることは何もないそうで、
やるべき事はみなやったんだそうです。

自分の親は、永遠に自分が子供の頃のまま、
時を止めて、いつまでも自分を見守っていて
ほしい、と思うのですが、

誰でもいつかは死ぬわけで、
それなら、父の希望を出来るだけ
かなえてやり、気持ちよく送り出して
あげたい。

病室でスケッチをしたり、
随筆を書いたり（自分で書くのはしんどいので、
口述筆記ですが）、新聞を読んだり、
テレビを見たり、とごく穏やかに
やっています。

あんまされながら、インターン時代の
思い出を、思い出すままに楽しそうに
話したりしています。

私の方も、門前の小僧なので、
血圧の状態その他を教えてもらい、
今、どのような状態か、頭に叩き込み
ながら、とりあえず、自分に出来る
ことを毎日する、という感じです。

思えば、ラブラブカップルだった母が
亡くなってから、二十年以上、よく
頑張ってきたなぁ、と思います。

とりあえず、毎日病院に通って、
楽しく話して一日一日を終わっています。

●音楽が助けてくれている

父は、音楽も美術も大好きで、
ホントは、そちらの道に行きたかったのかも
しれません。

ここのところ、あまり絵も描かなく
なっていたのですが、入院してからは、
急にスケッチがしたくなった・・・と、
柿を家から持ってこさせ、
何枚も描いては喜んでいます。

しばらく書かなかった俳句も、
添えていたりします。

個室なので、ラジカセも持ち込んでも
いいのかもしれないんですけど、
とりあえず父が別にいい、と言うので
持って行ってないんですが。

家にいた時は、一日中ラジカセを
かけっぱなしでした。
私のところから、こそこそと
いろんなCDを持ち出しては
喜んで聞いてましたが、
一番のお気に入りはモツレクでした。
フルトヴェングラーなんか、聞いてたみたい。

私は私で、ウォークマンにダウンロード
した合唱を聴きまくりながら、病院への
往復をこなしています。住金のCDシリーズ
なんか、ここんとこ、聞きまくりです。
特に、今お気に入りなのは、
「初心のうた」の第一曲目。
５時過ぎに帰るので、夜空を見上げながら、
「星を見上げ～♪」を聞きながら駅へ
向かうのです。

ちなみに冒頭の写真は、病院の裏手
にあった白いキョウチクトウの花のアップ。
（やっと接写モードがどこにあるか
わかったので、接写できた）

こちらの写真は、帰り道の夕陽。
きれいでしたよ。